相続した空き家の管理について!放置のリスクや解決策も解説

相続した空き家の管理について!放置のリスクや解決策も解説

実家などの不動産を相続する予定があるものの、自分を含めて誰も住む見込みがなく、将来的に空き家になってしまうとお悩みではありませんか。
遠方で管理が難しいからといってそのまま放置してしまうと、建物の急速な老朽化を招くだけでなく、行政からペナルティを受けたり近隣トラブルに発展したりする深刻なリスクがあります。
本記事では、建物の劣化を防ぐための基本的な管理手順から、放置することの重大なデメリット、そして解体や売却を含めた具体的な対処法について解説します。
いずれ空き家を相続する予定があり、大切な資産を負債に変えないための正しい備えをしておきたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。

相続した空き家の状態を保つ基本の管理方法

 相続した空き家の状態を保つ基本の管理方法

空き家を相続した際にやるべきことには、主に建物の劣化を防ぐための維持管理があります。
まずは、空き家の状態を保つ基本の管理方法について解説していきます。

湿気を防ぐ定期的な換気

人が住まない住宅は湿気がこもりやすいため、月に1回以上を目安に換気し、カビや木材の腐食を防ぐことが大切です。
できれば晴天が2日ほど続いた日の午前10時から午後2時頃を選び、雨戸や窓を開けて室内へ乾いた空気を通しましょう。
また、室内のドアや押し入れ、靴箱、流し台の下も開放し、離れた窓を2か所以上開けると空気の通り道を確保できます。
風が届きにくい部屋では扇風機などを使い、収納の奥まで1時間から2時間ほど空気を循環させる方法が有効です。
その際は、天井や壁の雨漏り跡、床下換気口の前にある雑草や荷物も確認し、通気を妨げるものがあれば取り除いておきましょう。

配管劣化を防ぐ通水作業

空き家では水を使わない期間が続くため、月に1回程度は通水をおこない、配管内のサビや腐食、排水口からの悪臭を防ぐ必要があります。
排水トラップには封水がたまって下水のにおいや害虫を防いでいますが、長期間使用しないと水が蒸発する点に注意が必要です。
そこで、水道の元栓を開け、各蛇口から1分から3分ほど水を流し、トイレも2回から3回ほど流して状態を確認しましょう。
さらに、洗濯機の排水口には約1Lの水を注ぎ、流し台の下などの接続部から水漏れしていないかも確認しておくと安心につながります。
ただし、寒冷地では冬場に配管が凍結するおそれがあるため、地域や気温に応じて水抜きをおこない、破損を防ぐことが大切です。

室内外の掃除手順と道具

室内の埃は湿気を吸うとカビの原因になりやすいため、換気とあわせて定期的に掃除を進めると効率よく住環境を保てます。
まずはマスクや軍手を用意し、ほうきやちりとり、雑巾などを使って、天井や壁といった高い場所から順に埃を落としましょう。
次に床や畳を清掃し、水拭きをした場合は換気時間を長めに取り、湿気が残らないよう十分に乾燥させることが重要です。
また、屋外では雑草や庭木を整え、郵便受けのチラシも回収して、人の手が入っている状態を保つようにしましょう。
あわせて雨樋や敷地内の排水溝に枯れ葉や泥が詰まっていないか確認し、雨水があふれる原因を早めに取り除いておきましょう。

空き家放置のリスクと特定空家のデメリット

 空き家放置のリスクと特定空家のデメリット

前章では建物を維持するための管理方法について述べましたが、継続的な手入れには多くの時間を要します。
ここでは、空き家を放置することで生じるリスクやデメリットについて解説します。

防犯・防災上のリスク

人の出入りがなく管理されていない空き家は、不審者の侵入や不法滞在、設備や配管の盗難など、防犯面のリスクが高まりやすくなります。
敷地内に粗大ゴミを捨てられると管理者の目が届かない印象を与え、さらに不法投棄が続くきっかけになるため注意が必要です。
また、郵便受けのチラシや庭の枯れ草は燃え広がる原因になり、通電中の住宅では埃と湿気による発火も起こり得ます。
くわえて、雨漏りやシロアリ被害で柱や屋根が傷むと、部材の飛散や建物の倒壊につながる可能性も否定できません。
その結果、通行人や隣家へ被害を与えた場合には所有者が責任を問われることもあるため、定期的な点検と管理を続けることが大切です。

特定空家指定による負担

特定空家等とは、倒壊の危険や衛生上の問題などによって周辺へ大きな影響を及ぼす空き家で、管理状態によって自治体の対応対象となります。
また、その前段階にあたる管理不全空家等も指導の対象となるため、窓の破損や雑草の繁茂などは早めに改善することが重要です。
指導を受けても改善されず勧告に至ると、土地の住宅用地の特例から外れ、固定資産税などの負担が増える可能性があります。
さらに、特定空家等への命令に違反した場合は50万円以下の過料が科され、行政代執行で解体される可能性も否定できません。
その際の費用は所有者へ請求されるため、相続した段階から適切な管理を始め、問題を深刻化させないことが大切です。

資産価値低下などの損失

空き家を放置して湿気やシロアリによる劣化が進むと、建物の評価が下がり、将来売却する際の価格や買主の判断に影響するおそれがあります。
将来使う予定がある場合でも、傷みが広がれば修繕箇所が増え、住める状態へ戻すための費用や時間が大きくなる点に注意が必要です。
また、売却前に解体や大規模修繕が必要になれば、その費用分だけ手元に残る金額が減る可能性もあります。
さらに、伸びた庭木や害虫、悪臭などが近隣へ影響すると、苦情やトラブルにつながり、周辺環境の印象を損なう原因にもなりかねません。
そのため、資産価値と周辺の住環境を守るには、管理を継続するか、売却などで早めに手放すかを具体的に検討することが大切です。

空き家を放置しないための3つの解決策

 空き家を放置しないための3つの解決策

ここまでは空き家を放置するリスクを解説しましたが、将来に向けた具体的な手放し方もおさえておきましょう。
最後に、空き家を放置しないための具体的な解決策について解説していきます。

建物を解体するメリット

老朽化した建物を解体すれば、倒壊や屋根材の飛散といった危険を減らせるほか、換気や通水など建物を維持する手間も軽減できます。
また、更地にすると買主が新しい住宅を建てやすくなり、古家付きの状態より売却を進めやすくなるケースもあります。
木造住宅の解体費は1坪あたり約4.5万円から6万円が目安で、延床面積30坪なら約135万円から180万円を見込む計算です。
ただし、重機が入りにくい土地や高低差のある敷地では費用が増えることがあるため、複数社へ見積もりを依頼すると良いでしょう。
さらに、自治体の補助制度を利用できる場合は着工前の申請が必要になるため、対象条件や支給時期まで確認したうえで計画を立てることが大切です。

親族や第三者へ譲渡する

空き家を親族や第三者へ渡す方法には、生前に財産を移す贈与や、遺言によって財産を渡す遺贈があり、相手との関係に応じて選べます。
贈与には年110万円までの基礎控除がありますが、不動産の評価額によっては贈与税が発生し、不動産取得税や登録免許税も必要です。
また、遺贈では相続税がかかる場合があり、受け取る方によっては税額が2割加算されるため、事前に負担を確認しておきましょう。
さらに、一定の相続人に保障される遺留分にも配慮し、ほかの相続人との関係を含めて譲渡方法を決めることが重要です。
なお、貸し出す方法もありますが、家賃収入の申告や設備修繕など貸主としての対応が必要になるため、管理を続けられるか検討しましょう。

早期売却の流れと注意点

空き家を早めに売却すると、固定資産税や火災保険料に加え、現地確認の交通費や管理の手間も減らせるため、維持負担を整理しやすくなります。
まずは複数の不動産会社へ査定を依頼し、査定額だけでなく販売方法や担当者の対応も比較したうえで依頼先を決めましょう。
その後、媒介契約を結んで販売活動を始め、買主と条件がまとまれば売買契約、代金の受領、引渡し、所有権移転へ進みます。
また、一定の要件を満たす空き家では譲渡所得から原則最高3,000万円を控除できる特例があるため、利用できるか事前確認が重要です。
さらに、古い建物の雨漏りなどは買主へ適切に伝え、契約不適合責任の範囲も整理したうえで、トラブルを防ぎながら売却を進めてください。

まとめ

空き家を相続した場合は、建物の劣化を防ぐために、月に1回以上の換気や通水、室内外の掃除といった基本的な維持管理を継続することが大切です。
空き家を適切に管理せず放置すると、防犯や防災上のリスクが高まるだけでなく、特定空家に指定されて税負担が増えるケースや、資産価値が下がるおそれがあります。
将来的なリスクや管理の手間を避けるためには、建物の解体や親族への譲渡、早期売却といった3つの解決策から、具体的な手放し方を早めに検討すると良いでしょう。

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