空き家の管理は自分でできる?必要な道具や手順についても解説

空き家の管理は自分でできる?必要な道具や手順についても解説

誰も住んでいない実家や相続した物件など、所有している空き家の管理を自分でおこなうにはどうすれば良いかと、お困りではありませんか。
適切な手入れをせずに放置してしまうと、建物の老朽化が進んで資産価値が下がるだけでなく、行政からの指導で税負担が跳ね上がるリスクも潜んでいます。
本記事では、空き家を管理する本当の目的をはじめ、自分で作業する際に準備すべき道具や、今日から実践できる具体的なセルフ管理のステップについて解説します。
所有する大切な空き家を安全な状態のまま維持していきたいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

放置リスクを回避する空き家管理の目的

放置リスクを回避する空き家管理の目的

空き家を適切に維持する目的は、主に放置リスクの回避です。
まずは、空き家管理の目的と、放置する危険性について解説します。

資産価値の低下を防ぐ

人が住まない住宅は、換気や通水の機会が減るため、居住中の建物よりも湿気がこもり、老朽化が急速に進みやすくなるでしょう。
壁紙の浮きや木部の腐食にくわえ、外壁や屋根の傷みも見落としやすく、気づいたときには修繕範囲が広がっていることもあります。
また、劣化が進んだ空き家は、売却や賃貸物件として活用する際に多額の修繕費がかかり、資産価値が下がる原因となります。
さらに、屋根瓦の落下や庭木の越境、害虫の発生などによって、近隣へ迷惑をかけるおそれにも注意が必要です。
そのため、定期的な清掃や草刈り、建物の点検を継続し、資産価値と周辺の安全を適切に守ることが大切でしょう。

定期点検と早期発見

月に1回程度は空き家を訪れ、外回りから室内までより細かく一定の順番で確認すると、小さな異常をより早い段階で見つけやすくなるでしょう。
まず、基礎のひび割れや外壁の剥がれ、雨樋の詰まり、庭木の伸び方など、建物の外側を丁寧に確認します。
続いて、室内では天井や壁の雨染み、床の沈み、カビや害虫の有無を見て、前回からの変化を調べましょう。
また、異常を早期に発見できれば、部分的な補修で対応できる可能性が高まり、大規模な改修費用を抑えやすくなります。
点検日と場所がわかる写真や記録を残しておけば、経過観察や修繕業者への説明に役立ち、防犯対策にもつながるでしょう。

税負担が増す特定空家

管理不足によって倒壊や衛生上の問題が生じるおそれがあると、自治体から特定空家等や管理不全空家等と判断される可能性があります。
指定後は助言や指導がおこなわれ、改善されずに勧告を受けると、住宅用地に適用される税の特例が外れる仕組みです。
その結果、住宅用地の特例が外れると、固定資産税の課税標準が最大6倍、都市計画税の課税標準が最大3倍となり、毎年の税負担が大きく増える可能性があるでしょう。
また、特定空家等については、命令に従わない場合は50万円以下の過料や行政代執行へ進み、その費用も原則として所有者へ請求されます。
そのため、行政から連絡を受ける前に補修や草木の整理を続け、助言を受けた場合も早めに期限内で対応することが大切です。

空き家を管理する際に準備しておきたい道具

空き家を管理する際に準備しておきたい道具

前章では管理の目的とリスクについて述べましたが、実際に自分で作業を進めるためには、事前準備が必要となります。
ここでは、空き家の管理作業に向けて、準備すべき重要な道具について詳しく解説していきます。

安全な服装と保護具

空き家には割れたガラスや突き出た釘、害虫などが潜んでいる場合があるため、けがを防げるよう肌の露出をできるだけ抑えた服装が基本です。
季節を問わず厚手の長袖と長ズボンを必ず着用し、枝や建材との接触、虫刺されから体を守りましょう。
また、足元には踏み抜き防止機能のある安全靴を選び、手には滑り止め付きの軍手や作業用手袋を着けます。
ほこりやカビを吸い込まないよう防塵マスクを用意し、目を守るゴーグルや頭部を保護する帽子も役立つでしょう。
さらに、夏は冷却用品と虫よけ、冬は動きやすい防寒着をくわえ、こまめに休憩を取りながら体調に無理のない範囲で作業しましょう。

準備すべき掃除用品

電気が止まっている空き家でも使えるよう、ほうきやちりとり、雑巾、掃除用シートなどを基本的な清掃用品として事前に揃えます。
水道を利用できない場合に備え、10~20L程度の水を入れたポリタンクと、複数のバケツも持参すると安心でしょう。
また、床や窓枠の汚れを拭き取れる使い捨ての布や、刈った草木をまとめる厚手のごみ袋を多めに準備します。
庭の手入れには鎌や剪定ばさみを使い、伸縮式のブラシがあれば、脚立へ上らずにクモの巣や高所の汚れを落とせるでしょう。
さらに、ドライバーやペンチなどを工具箱へまとめておくと、建具の緩みなどを見つけた際の応急対応に役立ちます。

暗所点検に役立つ照明

電気が通っていない室内では、押し入れや床下、収納の奥などが暗いため、十分な明るさを備えたLED懐中電灯を必ず準備しましょう。
さらに、頭部用ライトを併用すれば両手を空けたまま移動でき、撮影や片づけも安全に進めやすくなります。
予備の電池や携帯用充電器も持参すると、長時間の作業中に照明やスマートフォンが使えなくなる事態を防げるでしょう。
また、前回の状態と比較できるよう、日付入りの写真を撮り、ひび割れには巻尺を当てて大きさを記録します。
配管の裏側には伸縮式の点検鏡を使い、道具をリュックへまとめて両手をふさがないことも、安全確保の重要なポイントです。

今日からできる空き家の自主管理方法

今日からできる空き家の自主管理方法

ここまで管理に必要な道具を解説しましたが、あわせて具体的な作業の手順も、しっかりと把握しておきましょう。
最後に、今日からすぐに実践できる、空き家の自主管理方法について詳しく解説していきます。

ポスト整理で防犯対策

郵便物やチラシがポストからあふれていると、長期間留守にしていることが周囲に伝わり、空き巣などの犯罪にとくに狙われやすくなるでしょう。
そのため、最低でも月に1回程度は現地を訪れ、投函物をすべて回収して、ポストと玄関周辺を整えます。
宛名のある郵便物には転送サービスを利用し、現在の住まいへ確実に届くよう手続きをしておくと安心です。
また、投函お断りの表示を付ければ広告チラシを減らせるため、ポストが短期間でいっぱいになるのを防げます。
さらに、玄関やポスト周辺のクモの巣、落ち葉や雑草も取り除き、定期的に管理されている印象を保つことが大切でしょう。

湿気とカビを防ぐ換気

換気は外気の湿度が比較的低い、晴れた日の午前10時から午後2時頃におこなうと、室内全体にこもった空気を効率良く入れ替えられるでしょう。
そのため、雨の日や湿度の高い早朝は避け、建物の対角線上にある窓を2か所以上開けて、空気の入口と出口を作ります。
また、風上側の窓を5~10cmほど開け、風下側を大きく開放すると、室内の空気が流れやすくなるでしょう。
各部屋の扉にくわえ、押し入れや靴箱などの収納も開き、45分から1時間程度を目安に換気しましょう。
さらに、換気中はカビや雨染み、結露の跡がないかを確認し、異常があれば写真へ残して早めに対応すると安心です。

悪臭や劣化を防ぐ通水

排水口の奥には封水と呼ばれる水が溜まっており、下水の悪臭や害虫が室内へ侵入するのを防ぐ、とても重要な役割があります。
しかし、長期間水を使わないと封水が蒸発し、配管内部も傷みやすくなるため、訪問時には元栓を開け、各水回りへ順番に通水しましょう。
キッチンや洗面台、浴室では細めの水を3分から5分ほど流し、濁りや異臭、配管周辺の水漏れも確認します。
また、トイレはタンクへの給水後に2回から3回流し、便器内へ適量の水が溜まっているか確かめてください。
作業後は水滴を拭いて元栓を閉め、訪問間隔が空く場合は排水口を食品用ラップで覆うと、封水の蒸発を抑えられるでしょう。

まとめ

空き家を放置すると建物の資産価値が低下し固定資産税などの税負担も増すため、定期点検による異常の早期発見と適切な管理が不可欠です。
自分で管理作業をおこなう際は、身を守るための安全な服装と保護具をはじめ、水道のない環境でも使える掃除用品や暗所用の照明を準備します。
月に1回程度のポスト整理や晴れた日の換気、配管の悪臭を防ぐ通水などの実践的な作業を継続すれば、防犯対策と建物の劣化防止につながるでしょう。

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